アフターコロナ時代のオフィスビルの選び方

新型コロナ感染拡大を受け、企業は従来のオフィスの在り方を見直す必要が出てきました。現在はウィズコロナとして、在宅でのテレワークやサテライトオフィスなどでの分散ワークが必要とされていますが、アフターコロナを見据えると、新たなオフィスの在り方を検討する必要もあります。

そこで今回は、アフターコロナを見据えた、オフィスビルの選び方を考察します。

アフターコロナを見据えたオフィスビル選びを

新型コロナウイルスの影響を受け、大きく働き方が変化しました。そしてオフィスの在り方や定義も大幅に変化し、オフィスビルに求められる機能も変わってきています。

オフィス移転やリニューアルの際に、これまでとは異なる基準のオフィスビルが選ばれることになるのではないでしょうか。

またコロナ以前にも注目されていた「ワークライフバランス」ですが、在宅勤務とオフィス勤務の併用や、サードプレイスでのテレワーク活用により、ワークとライフの境目が曖昧になっています。

このことから、今後は、子育て中の社員のニーズに合わせて、自社オフィス内もしくはサテライトオフィスなどの別拠点ビル内などに託児所が必要になるといったように、従来と比べて、オフィスビルに求められる機能が多様化してくる可能性もあります。

これまでのオフィスビルで人気が高かった条件

ウィズコロナやアフターコロナの状況下では、従来のオフィスビル選びの優先順位が変わってきています。

●都心の立地

都心のビルは、従業員の通勤時に、満員電車や駅などの人混みの多い場所に遭遇する懸念があるため、感染リスクを高めます。郊外に住む社員にとっては、通勤に時間がかかることも注意が必要です。
また都心には高層ビルが多いですが、高層ビルにつきもののエレベーターの中は、密閉空間となり、感染リスクが高まることもデメリットといえます。
さらに、高層ビルは窓が開けられないケースもあります。その場合、換気設備のみの換気となり、外気を十分に取り入れることが難しいため、自然換気を想定している場合には注意が必要です。

●集約型(ビル1棟借り・ワンフロア借りなど)

1つのビルや1つのフロアに会社の機能がすべて集約されていると、感染者が出た際、会社機能をすべて止める必要が生じるリスクがあります。ビル内、もしくはフロア内に出入りしていた自社の社員すべてに感染リスクが生じますし、感染拡大の懸念が心配されます。

●入居テナント共有の広いエントランスがある

そもそも不特定多数の人々の共有スペースがあるだけで、感染リスクを高めます。加えて共用のエントランスは、外部の来訪者も訪れますし、接客用のソファとテーブルなどの来客スペースがあると、そこを利用する場合にリスクが高まります。

これからのオフィスビルに求められる条件

アフターコロナを見据えた場合、新しい基準でオフィスビルを選ぶ必要があります。考えられる条件をピックアップしてみました。

●複数のビルに分散する

ビルを複数の場所で借りるなどして分散することで、感染リスクも分散させることができます。

●従業員の居住地近くの立地を選ぶ

都心のビルの通勤デメリットに対する対策として、従業員の居住地に近い立地のビルを借りることも考えられます。そうすることで、従業員の通勤ラッシュや長時間通勤を避けられ、感染予防につながります。

●駐輪場や駐車場のスペースがあるビル

電車通勤に感染リスクがある場合に、マイカーやバイク、自転車通勤を促すことも必要です。その場合、駐輪場や駐車場のスペースを広くとる必要があります。

●エントランスの条件

エントランスについては、ビルの総合受付がなく、入居テナントごとにエントランスが異なる作りが理想です。さらに、来客と社員の導線が区別されているなど、感染しない導線に対応していればより良いといえます。

●その他の感染予防のしやすさ

その他、換気がしやすいかどうかや、テナント入口が自動ドアなどで接触感染を防ぎやすいかどうか、メールボックスや宅配ボックスがあり、人を介さず受取ができるかどうかといった感染予防がしやすい条件も求められます。

まとめ

もはやオフィスビル選定の条件は、従来のものでは感染リスクを高めることになります。今一度、感染予防を意識して、オフィスビルを選びの条件を見直してみる必要がありそうです。