オフィスリノベーション ~効果やポイント、事例をご紹介~
昨今、オフィスをリノベーションするニーズが高まり、空き店舗等を借りて、リノベーションしてからオフィスとして活用する会社も増えています。
本コラムでは、リノベーションの効果やポイント、相場費用や工期等ご紹介します。
オフィスリノベーションの効果
リノベーションとは、空間をまるごと作り変えるような大規模な改装のことです。場合によっては、部分的に壁・天井の内装を変えることもあり、その場合は、部分リノベーションと呼ばれます。もとの状態に戻す意味の「リフォーム」に比べて、リノベーションは、「革新」「修復」を意味することから、大規模なリニューアル工事のイメージとなります。
既存のオフィスを改装するだけでなく、新しく古民家や空き店舗を借りて、リノベーションしてからオフィスとして活用する会社もあります。
オフィスをリノベーションするニーズが高まっている理由としては、次の効果が得られることが関係していると考えられます。
●業務効率化・生産性向上
「働き方改革」などもあり、働きやすく、より業務効率がアップする環境作りは急務です。「フリーアドレス」などのワークスタイルの変化に伴い、環境を一新する会社もあります。環境はまた、集中やリラックスなど働く人のマインドにも大きな影響をもたらします。フリーアドレスと集中ブースを上手に配置したり、オープンな執務スペースとプライバシー空間のバランスを取ったりと、リノベーションによって働きやすい環境を作ることは、業務を効率化することから、生産性向上の効果も期待できます。
●社員のモチベーションが高まる
社員のマインドに大きな影響を与える環境面は、社員のモチベーションにも大きな影響を与えます。これも生産性向上につながるでしょう。
●社内コミュニケーション活性化
会議室やコミニケーションスペースの拡大や再構築、動線改善等のリノベーションを行えば、よりコミュニケーションを取りやすい環境が生まれ、社員同士のコミュニケーション活性化にもつながると考えられます。
●企業イメージ向上・ブランディング
自社のコンセプトや企業イメージなどを明確にしたリノベーションを実施することで、来客者に良い印象を与えることができるでしょう。また、企業イメージが向上し、ブランディング強化にもつながるため、会社の成長にもつながることが期待できます。
●オフィス移転の代替手段として好適
環境を一新したい場合、オフィス移転という方法も考えられますが、移転するのと比べ、リノベーションは、トータルでコスト低減が期待できます。また、現在の立地がとてもよく、場所は移動したくないという場合にもリノベーションは有効です。
オフィスをリノベーションする際のポイント
オフィスをリノベーションする際には次のようなポイントを押さえて行うと、失敗を予防できます。
●原状回復などの制限
特に賃貸物件の場合、まず1番に確認しておきたいのは、そもそもリノベーションが許されているのかということです。貸主や管理会社にリノベーションしても良いかどうか確認しましょう。また退去時に原状回復をする必要性なども確認しておく必要があります。
そもそもリノベーションの後に原状回復を完璧に行うことができるのかということも、設計事務所や工事業者への確認が必要です。
いずれにしても大掛かりな工事になるため、貸主や管理会社とは上手に話を進めておく必要があります。
●建築基準法や消防法に則しているか
リノベーションを行うにあたり、建築基準法に基づき、あらかじめ「建築確認申請」を役所か民間の建築確認検査機関に行う必要があるケースもあります。
また、消防法においては火災警報機の設置基準等が定められていることから、リノベーションで間仕切りを作って新たな個室を作るなどすれば、設置基準が変わり、新たに煙探知機などを取り付ける必要が出てくる場合もあります。こうした法令に則したリノベーションを行う必要があります。
●費用と工期
リノベーションは、規模や範囲によって費用も工期も変わってきます。リノベーションを行う際にはよく見積もりと工事期間などを確認しておき、会社の行事や事業のスケジュールと合うようにしておく必要があります。
●目的・コンセプト
オフィスリノベーションを行う場合、目的やコンセプトを明確にしておかなければ、ただのデザイン一新に終わってしまいます。リノベーションを行うことで生産性向上を目指すのであれば、どのくらいの効果を出そうとしているのか、数値などであらかじめ目標値を出しておくなどすると良いです。オフィスリノベーションの目的がブレにくくなり、成果も期待できます。
●レイアウト・デザイン
もちろん目的やコンセプトに合った具体的なレイアウトをどうするか、ということも重要になります。専門家に相談しながら目的を達成できる、働きやすい環境作りを目指しましょう。
●信頼できる業者
オフィスデザインを依頼する設計事務所や、オフィスのリノベーションをサポートしてくれる業者に依頼する場合は、できるだけ信頼できる業者を選びたいものです。それを見極めるためには、これまでの実績はもちろんのこと、消防法や建築法などをしっかりと遵守するためのサポートをしてくれることは欠かせません。また、コミュニケーションが取りやすいかどうかということも重要です。
リノベーションの相場と工期
リノベーションは、先にお伝えしたように、フルリノベーションと部分リノベーションがあります。それぞれ、どのくらいの費用相場でどのくらいの工期になるのか確認しておきましょう。
●フルリノベーション
費用:坪単価 30万円ほど
100坪のオフィスの場合、リノベーション費用は3,000万円になります。
(例えばエントランス、会議室×2、リフレッシュエリア、執務室、役員室など)
工期:約1ヶ月
●部分リノベーション(リフォーム)
費用:坪単価 10万円ほど
100坪のオフィスの場合、リノベーション費用は1,000万円になります。
(例えばエントランスのみ改修、リフレッシュエリアを作る、など)
工期:数日~2週間程度。
これらはあくまで目安ですので、参考程度にして、見積もりは改めて依頼して確認するのをおすすめします。
オフィスのリノベーションは、さまざまな効果が得られるものです。目的とコンセプトを明確にして綿密に計画し、実施することで期待以上の成果が出るでしょう。ぜひ、今回ご紹介したポイントをヒントにされてみてください。