生産性にも大きく影響!オフィスの「音」問題について考える

働き方改革により、いかに業務効率を上げ、短時間で高い生産性を実現するかが重要視されている中、オフィスの在り方についても、集中できる環境、そして情報漏えい対策がしっかりなされた環境など、従来よりも必要要件が増しています。

このような中、オフィスの「音」問題を抱えている企業もあることでしょう。そこで最近、オフィスで実施されている音対策をご紹介します。

生産性にも大きな影響!オフィスで問題になる「音」とは?

音は、目に見えないものでありながら、オフィスワーカーに大きな影響をもたらしています。オフィスの音と言っても、人の話し声、電話の音、コピー機やパソコンなどの電子機器類の作動音、キーボードのタイプ音、咳払いなど、さまざまな種類があります。その中で特に問題となっていることを4つ挙げます。

●人の声などの音により集中が妨げられ業務効率が低下する

例えば、自分のデスクで業務に集中したいものの、電話が立て続けに鳴り響いたり、コピー機の音が断続的に続いたり、他社員の話し声が同じフロアからも隣のミーティングスペースからも響いてきたりと、うるさいと感じて集中できない、という環境は困りものです。電話の相手の声が聞き取りづらいなど、業務の妨げになり、またストレスを感じることにもつながります。

●会話中の声が漏れることで情報漏えいが懸念される

一方で、オフィス内で話し合いをする側としては、その声が漏れることで、他社員の集中を妨げる懸念だけでなく、人事情報や財務情報、個人情報などの機密情報が漏れる懸念もあります。声高に発言できず、会議が白熱しないという結果にもつながってしまいかねません。

●会議の最中、相手の声が聞き取りづらい

対面での会議やテレビ会議システムの利用時に、相手の声が互いに聞き取りづらいことがあります。会議効率を下げてしまいますし、聞き漏らしなどが発生すればさらに大きな問題になります。かといって、テレビ会議はマイクの使用による音漏れ問題もあるため、防音対策をしながらも、声が聞き取りやすい環境作りが必要になります。

●来客やパフォーマンスアップのためのBGMを流したいが選曲の仕方が分からない

来客に心地よく過ごしてもらうため、また、雑音の多い環境下や静かすぎる環境下での従業員のパフォーマンスアップのために、オフィスにBGMを流したいというニーズがあります。しかし選曲に課題があるケースもあります。

どれも、オフィスにおける音に関する問題です。働き方改革を実施している企業では、フリーアドレス制のオフィスレイアウトや、個室ではないミーティングスペース、遠隔拠点とのやりとりに使用するテレビ会議など、以前のオフィスに比べて、「音」問題は深刻になってきているのが現状です。

オフィスの音環境改善による効果

オフィスの音問題を改善することにより、さまざまな効果が生まれます。

例えば、人の話し声を含めたオフィスの雑音をうまく抑えることができれば社員の集中力アップにつながりますし、電話の向こうの声も聞き取りやすくなり、応対も良好になるでしょう。

会議の声の音漏れ対策として防音施策を施せば、情報漏えいリスクが減りますし、会議そのものも効率化します。

来客スペースや業務スペースに最適なBGMを流すことで、来客へのおもてなしや社員のパフォーマンスアップが期待できます。

これらの音環境改善による効果で、オフィス全体の生産性アップという大きなメリットにつながっていきます。

働きやすいオフィスにするための音に関する施策

ここで、先に挙げた課題を解決し、働きやすいオフィスを作るための、音に関する施策をご紹介します。それぞれの課題に対する対策を見ていきましょう。

「人の声などの音により集中が妨げられ業務効率が低下する」 「会話中の声が漏れることで情報漏えいが懸念される」 問題の対策 →吸音・防音パネルやシートを利用する

音対策の基本である、音を壁やパネルなどに吸い込ませる「吸音」、音を壁やパネルなどによって遮断する「防音」は、すでに古くからオフィスに採用されている施策です。防音壁などオフィスの工事がむずかしい環境の場合は、後付けで吸音・防音シートを貼ったり、パーティションを置いたりして対策できます。

→マスキング音をオフィスに流す

音対策のもう一つの基本が、音を発生させ、その音で雑音・騒音をかき消す「マスキング」です。例えば、オフィス内に会話音をカバーする成分をもつ特殊音を流すという方法があります。ミーティングスペースや会議室などに設置して流せば、話し合いの効率が上がり、音漏れによる情報漏えい対策にもなります。

「会議の最中、相手の声が聞き取りづらい」問題の対策→スピーカー内蔵テーブルを使用する

音が聞き取りやすくなるよう、従来のテレビ側のスピーカーではなく、座っている状態で手元のあたりにスピーカーが内蔵されたテーブルを使用する方法です。これにより、隣の部屋に音漏れすることなく、聞き取りやすいテレビ会議が可能になります。

「来客やパフォーマンスアップのためのBGMを流したいが選曲の仕方が分からない」問題の対策→利用目的や時間帯によって選曲する

適したBGMは、そのスペースの利用目的や時間帯によっても大きく変わってきます。 来客スペースでは、リラックスできることを第一の目的とする場合、BGMの選曲は自ずとリラクゼーションをテーマとしたものになります。 一方、集中が重要になるデスクワーク中心のオフィスであれば、BGMの選曲はより集中力の高まるものである必要があります。時間帯により、曲を変更するというのも有効です。例えば、仕事を始める朝は明るい曲、昼休み後は眠気を誘わないアップテンポな曲を選ぶといった選曲が考えられます。

オフィスの騒音をはじめとした音問題は、生産性向上が求められる近年、より深刻になってきています。今、オフィスの音に関する問題をすべて洗い出し、複合的な音対策を実施することで各問題も解決し、生産性アップにつながっていくでしょう。