ベンチャー企業のオフィスから見える!これからのオフィスの可能性とは?
近年、オフィスにこだわるベンチャー企業は多く、特色を感じられるオフィスデザインやレイアウトのところが増えてきています。ベンチャー企業ならではの、斬新で驚きのある、さまざまなオフィスが多数生まれています。今回は、そんなベンチャー企業のオフィス事例から見えてくる、未来のオフィスの可能性について探ります。
ベンチャー企業のオフィスの特徴
ベンチャー企業の「ベンチャー」は、英語の「venture:冒険的事業、投機的企業、投機、危険を伴う冒険」からきており、「ベンチャー企業」は、革新的なアイデアや技術をもとに新規ビジネスを展開する、強い成長志向を持つ企業のことを指します。
ベンチャー企業は一般的に小中規模であることから、オフィスはそれぞれの規模に合わせた小中規模の賃貸オフィスを利用するのが一般的です。
またベンチャー企業のオフィスの特徴として、自社ならではの方針やコンセプトに基づくレイアウトやデザインを自由に追求できることから、企業ごとにそれぞれしっかりとした個性がある点が挙げられます。また、事業だけでなく、オフィス自体も革新的で、一般企業とは一線を画した先進的なアイデアが豊富に盛り込まれている点も大きな特徴です。
さらに、強い成長志向を持ったベンチャー企業は、即戦力となる優秀な人材も求めていることから、応募者などの外部の人々にとっても魅力あるオフィスであることも見据えられています。
ベンチャー企業のオフィス事例
近年、ベンチャー企業のオフィスは、どのようなオフィスレイアウトやデザインがトレンドなのでしょうか。実際のベンチャー企業のオフィスの事例を通して、特徴を見ていきましょう。
●エントランスやミーティングルームにこだわる
ベンチャー企業のオフィスの大きな特徴は、エントランスにあります。エントランスに大きく会社のロゴマークを掲げたり、会社指針を大胆に壁に掲げたりしてインパクトを出す企業も珍しくありません。
また、近年のオフィスレイアウトのトレンドとして、従来の執務スペースを中心とする考え方から、エントランスや応接室、ミーティングルームなどを中心とした考え方にシフトしてきています。
エントランスやミーティングルームなど、クライアントなどの来客の目に触れる場所は、とことんこだわってオフィス家具をすべてオーダーにしたという事例もあります。
またエントランスからつながる会議室をガラス張りにし、植物などを配置することで居心地良い空間にしている事例もあります。
少数精鋭のベンチャー企業の中には、少人数が一堂に会するフロアで、椅子をくるりと回せばすぐにミーティングができるといった、社員同士のコミュニケーションを密にする試みも見られます。
●共有スペースの充実
ベンチャー企業のオフィスレイアウトのトレンドの一つに、共有スペースや共有設備の充実もあります。
例えば執務室エリアをフロア全体に広くとり、その一角に共有スペースを設けて、ソファを配置してミーティングや休憩、飲食ができるようにしているケースもあります。
また業務時間外には、勉強会や交流会などのコミュニケーションスペースに用いているケースもあります。
スピードが求められるベンチャー企業では、社内コミュニケーションもスピーディーかつ活性化した状態が理想です。共有スペースは、そうした理想的な状態が作られやすい環境といえます。
●モダンカフェのようなくつろぎのデザイン
近年、ベンチャー企業のオフィスのデザインや内装がどんどんおしゃれになってきています。特徴的なのは、従来のいわゆる“オフィス”とは一線を画した、まるでモダンなカフェのようなデザインや色調が採用されることが多いことです。例えば執務フロアや会議室に、ダークブラウン調の色彩をベースとしたデザインを施し、落ち着いた温かみのある雰囲気を出している事例もあります。
●リフレッシュ・運動ができる設備
中には、オフィス内に卓球台やボルダリングができる壁、ヨガやストレッチができる鏡張りのスペースなどを配置するベンチャー企業もあります。社員の健康を重視する経営が求められる今、こうしたオフィスにいながら運動やリフレッシュができる共有設備は対外的な印象をよくするためにも有効です。
●バーカウンターの設置
業務時間はコーヒーやソフトドリンクなどを手軽に利用でき、定刻を過ぎると自由にお酒が飲めるバーカウンターの設置も、近年多くのベンチャー企業のオフィスで見られるようになってきました。福利厚生の一つとしてはもちろん、社内交流を促す環境としても、ベンチャー企業には適した設備といえます。
これからのオフィスの可能性
ベンチャー企業のオフィスの特徴は、常に最先端を走るベンチャー企業の感性が反映されていることもあり、オフィス全体のトレンドを知ることができます。
従来は執務室を中心としたオフィスが一般的でしたが、現在では、オフィスのレイアウトやデザインの自由度が上がってきています。
ベンチャー企業の事例より、今後のオフィス作りのポイントになりそうなものをまとめます。
●エントランスやミーティングスペースがオフィスの中心に
エントランスやミーティングルームは会社の顔であり、また、社内外のコミュニケーションを活性化するために必要不可欠で、今後はますますオフィスの重要なポイントになっていくことでしょう。オフィスのレイアウトを決める際には、まずはエントランスや応接室、会議室やミーティングスペースから設計を始めることで、時代に合ったオフィス作りができるのではないでしょうか。
●社内コミュニケーション活性化や一体感を生み出す空間づくり
ベンチャー企業のオフィスの多くの事例では、いかに社員が互いに意見交換をし、良きアイデアを生み出せるか、ということが追求されていました。そのために、社内のコミュニケーションがスムーズかつ活発に取り交わされ、一体感を生むようなスペースをいかに設けるかが重要になってきています。
●社員が働きやすい環境づくり
働きやすさが評価される昨今、リフレッシュスペースやフリードリンクコーナーなどの共有設備も重要になってくると考えられます。それが社員の生産性向上につながる上に、対外的にも良い印象を与えることができます。
近年のベンチャー企業のオフィスの特徴から、今後のオフィスの可能性を探りました。今後、オフィス移転や新規オフィス開設等の際に、レイアウトやデザインを行う必要があるシーンでは、ベンチャー企業のオフィスづくりは大いに参考になりそうです。