オフィス回帰の今こそ考えたい「ハイグレードオフィス」のメリットとは?~テレワークの課題を解決する場所としてのオフィス

2020年4月に緊急事態宣言が発令された後、テレワークが浸透しましたが、解除後は徐々に「オフィス回帰」へと向かっていきました。2021年には二度目の緊急事態宣言が発令されたことで、今後は「これまでのオフィスに従業員が帰ってくる」というよりは、オフィスはこれまでとは異なる目的や機能を持ち、テレワークで生じる課題も解決する新しいオフィスが求められていくと考えられます。
そこで今、新しいオフィスとして注目されているのが、ハイグレードオフィスです。そこで今回は、ハイグレードオフィスとは何か、なぜこれからのオフィスにふさわしいのか、そしてこれからのオフィスに求められるものをご紹介します。

テレワークが広がる中「オフィス回帰」が叫ばれる理由とは

2020年4月以降は、テレワークの導入が一気に進みました。一部では、これを機にコロナ対策にとらわれず、通常のワークスタイルとして、テレワークを継続実施する企業も出てきました。それにより、オフィスは縮小の必要性がある、もしくは、もはやオフィスは不要なのではないか、などの声も聞かれるようになり、オフィスの存在価値が薄れつつありました。

ところが2020年5月に首都圏を中心に緊急事態宣言が解除されると、多くの企業がテレワークを廃止し、オフィスでの業務に戻るなど「オフィス回帰」の流れが見られました。日本生産性本部が実施した「働く人の意識に関する調査」の第2回目(2020年7月21日発表)によると、テレワークの実施率は5月調査で31.5%であったのに比べ、7月調査では20.2%と11.3ポイント減少しました

なぜ企業は解除後、即座にオフィス回帰へと流れたのでしょうか。その主な理由には、次のことが考えられます。

出典:内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」

●テレワークにおける生産性の低下

「やはり出社したほうが仕事の効率が上がる」と、肌感覚でも実績としても危機に感じた人々が、こぞってオフィスへ回帰したとみられます。特に危機を感じた層が出社することで、在宅勤務にメリットを感じていた層も出社をしなければならない空気になったという状況もあったようです。
内閣府が行った「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(2020年6月21日)の結果では、テレワークとなり「仕事の効率性や生産性はどのように変化したか」の問いに対して、「大幅に減少」は10.7%、「減少」は15.3%、「やや減少」は21.7%となり、合わせると47.7%と半数近くに上っていました。

子育て世帯においては、子どもの休園・休校などもあり、在宅勤務中も子どもの世話や勉強を見る必要があったケースが多かったようです。そのため、必然的に仕事がはかどらないといった環境面の問題もあり、困難な状況を生み出しました。

●社員同士のコミュニケーション不足からモチベーションの低下につながった

また内閣府の同調査では、「テレワークで不便な点」の上位3つが「社内での気軽な相談・報告が困難」「取引先等とのやりとりが困難(機器、環境の違い等)」「画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス」となりました。主にコミュニケーションによる課題が大きく、それがモチベーションにも影響しているのではないかと考えられます。

子育て世帯においては、子どもの休園・休校などもあり、在宅勤務中も子どもの世話や勉強を見る必要があったケースが多かったようです。そのため、必然的に仕事がはかどらないといった環境面の問題もあり、困難な状況を生み出しました。

世の中のテレワーク化が進み、もはやオフィスは不要になるといった”オフィス不要論”も当初は挙がっていました。しかし、現在ではテレワークとオフィスでの業務が並行されるという考え方が一般的となりつつあるようです。
そういった考えが広まりつつある中、これからのオフィスの存在意義とはいったい何なのか、考察していきたいと思います。

●子育て世帯の在宅勤務者は仕事に困難さを感じた

子育て世帯においては、子どもの休園・休校などもあり、在宅勤務中も子どもの世話や勉強を見る必要があったケースが多かったようです。そのため、必然的に仕事がはかどらないといった環境面の問題もあり、困難な状況を生み出しました。

オフィスの意義

世の中のテレワーク化が進み、もはやオフィスは不要になるといった”オフィス不要論”も当初は挙がっていました。しかし、現在ではテレワークとオフィスでの業務が並行されるという考え方が一般的となりつつあるようです。
そういった考えが広まりつつある中、これからのオフィスの存在意義とはいったい何なのか、考察していきたいと思います。

●リアルコミュニケーションを行う場としてのオフィス

テレワークを行う中で、リアルなコミュニケーションも大事と気付かされた人も多いのではないでしょうか。
アイディア出しや企画のブレインストーミングなど、画面越しではなく、リアルなコミュニケーションが大切な場合も多くあります。 さらに、オフィスに行き、社内外の人々と触れ合うことで得られる刺激が、業務の推進力になることもあります。
今後はオフィスはなくなるというよりは、リアルコミュニケーションを行う専用の場として、皆が集まる場所となる可能性が考えられます。

●チームワークの結束の場としてのオフィス

テレワークを行う中でコミュニケーション低下による仕事の質の低下が挙げられます。
リモート環境の中では、雑談などの気軽に取れるコミュニケーションが少なくなり、 それにより、見えない従業員に対してのリアルな情報を得ることができないという課題が出てきています。そういった現状の中、オフィスの存在は、チームワークを創出するための有効な存在といえるでしょう。

また、オフィスという結束の場がなくなってしまうと、企業やチームへの帰属意識が薄くなってくることも考えられます。オフィスという存在は、企業のアイデンティティを表す場としても重要であるといえます。

オフィス離れが起きた今こそ考えたい「ハイグレードオフィス」とは

 

このように、2020年後半はオフィス回帰の流れが生じましたが、現状はまだコロナの影響が大きく、オフィス離れも進んでいます。

JLL日本 マーケッツ事業部の調査によると、東京・大阪のオフィス賃貸市場において、2020年6月以降には床面積・件数ベース共に「空室」が増加し、成約面積・件数を上回ったという実態があります。またテレワークの導入により、オフィススペースが余ることで縮小移転を検討する企業も出てきています。

このような現状がある中で、オフィス戦略を見直す企業にとってはチャンスといえます。なぜなら選択肢が広がっており、自社の理想のオフィスを実現できる可能性が高まっているためです。また、社員のパフォーマンス引き出すオフィスを実現するチャンスでもあります。

●今だからこそ検討すべき「ハイグレードオフィス」

そこでおすすめしたいのが「ハイグレードオフィス」です。

ハイグレードオフィスとは、新築・築浅で、高いビルグレードや、内外装の品質、省エネ・環境性能などの高いスペックを備えつつ、セキュリティ面やBCP対策などのリスク対策にも優れており、好立地で利便性が良く、企業の信頼性やブランディングにもつながるようなオフィスのことです。

また喫煙室や多目的トイレ、休憩スペース、屋上庭園などの共用空間も充実しており、従業員の健康や働きやすさに配慮できるオフィスビルも含みます。

昨年はテレワークの導入が進んだからこそ、オフィスの価値を再認識することができました。オフィスをただ「仕事をするだけの場」として考えるのではなく、安全性が高く好立地な場所で、コミュニケーションも取りやすく、従業員が安心して働ける環境を構築したいと構想を描いた企業にとって、今は、絶好の機会と考えられます。
先述の通り、現在はオフィスの空室が増えたことで、これまでより良い条件のオフィスが選びやすい時期といえるでしょう。

優れたオフィス環境が整うことで、結果的に、優れた人材獲得にもつながりやすくなると考えられます。

まだまだ進化が期待されるオフィス

コロナ禍により、「働き方」に多くの変化がもたらされましたが、その中でも「働く場所」について考えたとき、最も重要となるのは、いかに働く環境を整備し、従業員のパフォーマンスを上げることができるかであるといえます。

テレワークの導入も、通勤などのストレスから解放され、浮いた時間を生産的な業務に充てられるなどのメリットは多くありますが、やはり場所の環境整備という面では、個々人の環境に依存するため、一律同じにそろえることは困難です。

そのような点から考えると、オフィスを構えることは重要であり、また、オフィス環境をいかに整えるかによって従業員の生産性に与える影響はまだまだ大きいと考えられます。

また、テクノロジーの発展や安全性の基準の高まりなど、今後起こり得る変化を加味した場合に、できるだけ早い段階でハイグレードオフィスのような好条件のオフィスへの移転を視野に入れることで、企業の価値を高め、従業員とのより高い信頼関係の構築にもつながるのではないでしょうか。

まとめ

オフィス回帰、オフィス離れなど、オフィスの価値に変化の多い昨今、オフィスの新しい在り方が問われています。ハイグレードオフィスなど、企業にとって理想的なオフィスの構想を練り、検討することは、選択肢が広がっている今こそチャンスです。ぜひ自社ならではの新しいオフィスを実現してください。