オフィス移転の計画立案のポイント~目的・コンセプトを明確に

オフィス移転をスムーズに成功させるためには、事前に綿密な計画を立てる必要があります。オフィス移転を考えたときに、まだ移転を経験したことがない企業の場合には、何から始めればよいかわからないこともあるでしょう。そこで今回は、オフィス移転の計画の中でも、最も重要となる目的やコンセプトを考案することや、レイアウトの考え方など、計画のポイントをご紹介します。

オフィス移転の計画立案の重要性

オフィス移転を成功させるためには、事前の計画立案が欠かせません。その内容は多岐にわたります。
一番はじめに行う必要があり、最も重要となるのが、目的・コンセプトの明確化です。またそれに基づき、オフィスのレイアウト案や具体的なスケジュール策定、業者選定などを実施していきます。それらを一つ一つ、しっかりと計画を立てていくことで、オフィス移転がスムーズに進み、成功に導くことができます。

計画立案が不十分だと、何のために移転するのか軸がずれてしまい、コストをかける場所を誤ってしまったり、タスクの抜け漏れが起きたり、レイアウトミスが起きたりして、コストや時間のロスにつながり、通常業務に支障が出ることもあります。

そうした失敗や問題を避けるためには、事前の綿密な計画が重要となります。

オフィス移転の計画立案「目的の明確化」

オフィス移転の計画立案を行うためには、まず目的の明確化を一番に行うことが重要です。

「何のために移転するのか」を明確にすることで、新しいオフィスに何を求めるのかなどの条件を決めることができます。

目的が明確でないと、新しいオフィスの選定基準やレイアウトがあいまいになってしまい、移転後に不満が出てしまう可能性が高くなります。最初にしっかりと決めておくことでその後の工程もスピーディーに運びます。

オフィス移転の主な目的には、次のことがあります。

●オフィス移転の目的の例

生産性向上、企業ブランディング、人材確保、事業拡大に伴う従業員増加、経費削減、スペース縮小、感染対策など

まずは現オフィスのスペースや設備、オフィス什器、その他の物品などの稼働率や使用状況を確認し、現状を把握する、社内の声をヒアリングするなどして課題を洗い出します。その後、改善策を考え、優先順位を決めて最も解決すべき課題が目的となるでしょう。

新オフィスのコンセプト・レイアウトを考案するポイント

移転の目的が固まったら、目的に基づき、新オフィスのコンセプトやレイアウトを考案することができます。それぞれのポイントをご紹介します。

コンセプト考案のポイント

コンセプトは、新オフィスのイメージを端的に概念化したものです。移転の目的に沿ったコンセプトを考えます。例えば、生産性向上のための移転であれば、「生産性を底上げするオフィス」「社内外コミュニケーション活性化のためのオフィス」などがコンセプトになるかもしれません。

また企業が重視していること、企業が目指していることなどの企業理念を取り入れるのも良いでしょう。例えば、パートナー企業などとの協業を重視している企業では、より協業のためのコミュニケーションを活性化できる場として、一つの「街のようなオフィス」といったコンセプトを掲げることが可能です。

レイアウト考案のポイント

コンセプトが決まれば、オフィスデザインの具体的なイメージも湧いてくるでしょう。アイデアを出し合って、レイアウトを固めていきます。 目的とコンセプトを実現するレイアウトはどのようなものなのか、具体的にイメージしていきます。 このとき「フリーアドレス」や「ABW」などの新しいワークスタイルを取り入れて考えるのも良いでしょう。あくまで、目的とコンセプトありきで、それを実現するワークスタイルであれば積極的に取り入れていきたいものです。

またデザインイメージからレイアウトを決めることも可能です。例えば「ホテルエントランスのようなデザイン」「カフェのようなデザイン」などです。デザインを決めるときにはメインカラーも決めておくと良いでしょう。多くの場合にはコーポレートカラーが用いられます。

大まかなレイアウトイメージを作ったら、具体的に設計していきます。

これらのコンセプトやレイアウトを考察する際、初めての移転の場合や、大規模なリニューアルなどの際などは、自社で一から行うのは困難に感じることも多いものです。その場合には、コンセプトやレイアウト策定の段階からプロにサポートしてもらうことも考えましょう。

オフィス移転のその他の計画~業者選定・スケジュール策定

目的やコンセプト、レイアウト案が決まったら、業者選定やスケジュール作成など、具体的な作業に移っていきます。それぞれのポイントを簡単に紹介します。

業者選定のポイント

オフィス移転業者は、大きく分けて、オフィス移転をプロジェクトとしてトータルで請け負う業者、工事請負業者、設計業者、什器メーカーの4種があります。それぞれ、関わる部分が異なります。自社のオフィス移転に関する経験・知識の有無や、規模、必要性に応じて選びましょう。
そもそものオフィス移転の目的やコンセプト・レイアウト考察からアドバイスしてもらいたい場合は、プロジェクト請負業者を選ぶ必要があります。しかし、プロジェクト請負業者と一口に言っても、得意不得意や実績が異なるため、よく情報を集めることが大切です。

スケジュール策定ポイント

オフィス移転全体のスケジュールを策定します。タスクの抜け漏れをなくすため、計画を確実に実施するために必ず一覧表にしておきたいものです。
特にオフィス移転は、旧オフィスと新オフィスの手続きを同時期に行ったり、並行して複数のことを行うことが多いので、スケジュール策定は大切です。管理職としても、全体像を掴むことができますし、進捗確認にも役立ちます。

スケジュールの立て方やポイントは「効率的で的確に進めるオフィス移転のスケジュール~効率的・的確に進めるために~」をご覧ください

まとめ

オフィス移転の計画立案のポイントをご紹介してきました。特に目的を明確にすることは重要です。オフィス移転を成功させるために、しっかりと全社に情報を共有しながら進めていきましょう。また、最適なオフィス移転業者を見つけ、利用することもオフィス移転を成功させるためには重要なポイントです。